無題

ペットショップにいる
大きくなってしまった大型犬の子をみたり、

飼い主の勝手な都合で捨てられてしまった子達を
保護してくださっているボランティアさんの
ホームページを見たり。

そういう時、この子達はどうなってしまうんだろう、
できれば、私がなんとかしてあげたい、
もう一頭位なら何とかなるんじゃ････と思ってしまう。

自分の力ではどうする事もできないのに。


それでも、ほんの一握りもない希望を持って、
パパに、それとなく聞いてみた。

「あのさぁ、多頭飼いのキッカケって何だろうね？」

「経済力でしょ」


確かに、育ち盛りの娘と息犬を抱えているのだ。
これからもっともっとお金がかかる。
古い家なので、将来的にはリフォームだって考えている。

今の我が家には負担が重過ぎる。


そして今日、とても勝手な話だが、

「出会った」

と思った子がいた。ＧＲの女の子、３歳。
家族の一員として迎えるのだから、
できるだけ長く一緒にいたい。
里親募集で若いコはそんなにいない。
そう思った。

誰にも相談してないのに、
出会ったなんて、本当に勝手な話である。

義母に相談してみる。でも、どう相談すれば
いいのか、どう切り出せばいいのかわからない。
事情から説明。

しかし、結局、家ではムリじゃない？他の家で
面倒見てもらえないの？と言われる。

帰宅したパパにも説明。
「散歩はどうするの？」と、少し話を聞いてもらえるが、
やっぱりいい返事はない。

当たり前である。どこか、自分でもわかっている。
でも、そう思いたくない。


どうにも元気が出ず、ため息ばかりが出る。
（…気持ちだけ持っていても、なんにもできない。ただの偽善者だ…
私、ホントに最低だ）

そんな思いばかりが頭の中を駆け巡る。
同時に、自分が情けない。

結局、夢や希望、憧れだけでは食っていけないのだ。




トビーだけじゃダメなの？
そうじゃない。

もう一頭いたら、もっと楽しいはず。

そう思っただけなのだ。

けれど、現実は厳しい。





極めつけに、パパに言われた。

ペットショップにいた大きなバーニーズの子の
写メを消すと言う話になり、

「どうして消すの？」
と聞かれたので、悲しみで閉じていた心から
本音がポロッと出てしまった。

「だってうちの子にならないじゃん、見るの辛いもん」

といったら、



「いや、うちの子にって･･･みんな不幸になっちゃうよ？」

パパの言うことは、いつも冷静で、そして正しい。



家族にも負担がかかる。
経済的にも、「かまってあげられるか」にも。

新しく来た子にだって、このままでは負担を
強いらなければいけなくなる。
ちゃんとトビーと同じようにしてあげられる･･･？


物心ついたころから犬が複数居る生活が
当たり前だったので、夢に描いていた。
大きくなったら、犬に囲まれた生活ができるかな･･･。

甘い考えだ。


夢が、また崩れた気がした。これで２度目。
でも仕方がない。
私は家計を預かる身だから。

実家に住んでいて、働いていて、何不自由ない生活なら
何とかなったかもしれないけど、今は違う。
「たられば」を言い出せばきりがない。

結局、どうすることもできない。
今できているのは、盲導犬募金くらいなもの。

この悲しみは深く澱んでいる。。。